1. はじめに(育てようと思ったきっかけ)
ビカクシダを始めて知ったのは、園芸番組を見た時です。
何て変わった植物なんだと、その豪華さにビックリしました。
そうです、皆さんも見たことがあると思いますが、板付されたビカクシダだったのです。
葉が鹿の角の様に上に反りあがっているのです、かっこいい。
昔子供の頃、カブトムシの角を見て興奮していたことを思い出しました。
そんなこともあり、自分で育ててみたい思い、今に至ります。
2. 植物の基本情報
基本情報
ビカクシダ(コウモリラン)・ネザーランド
学名:Platycerium Netherlands
科・属:ウラボシ科・ビカクシダ属
原産地:熱帯地域(交配元のビフルカツムはオーストラリア、パプアニューギニアなど
交配元:ビフルカツムをベースにオランダ(チューリップの国)で改良された品種です。
花言葉は、信頼・助け合い・魔法(ビカクシダ全体)です。
特徴
葉の形状は、交配元のビフルカツムに似て、丸みがあり、広く垂れにくい胞子葉が特徴、分岐はやや遅めである。
育てやすさは、丈夫で環境能力が高く、安価で流通量も多いため初心者におすすめです。
ビカクシダの部位名
胞子葉(ほうしよう)
光合成を行い、成長すると葉の形が変化する。種類によって下垂・上向き・中間のものがある。
胞子嚢(ほうしのう)
胞子葉が成熟すると、葉裏の一部に胞子嚢が出現する。
外套葉(がいとうよう)、別名 貯水葉(ちょすいよう)
胞子葉と比べて幅広く、円形の葉で株元を覆い、水分や養分を蓄える。
根(ね)
貯水葉の裏に広がり、新しい成長点が作られて、そこから子株が出現する。
育て方のポイント
令和7.5月からビカクシダの育成を始める。
色々学んだ育成で大切だと感じたことを記載していきます。
見逃さない3つのポイント
日当たりが大事だけど、自宅の日当たりが良すぎるので葉が焼けてしまうため、遮光ネット・遮光カーフィルムなどを試したが植物を慣らす段階で葉が焼けてしまった、今年の太陽の日差しが強すぎだぁ、しかたなく育成ライトに変更した。
室内の為サーキュレーターを使い、風通しを良くする、そうしないと水苔が蒸されてカビが出てきたり、根が腐ったりする(自分の場合、水苔の表面に白カビが発生した。)、また光合成と蒸散を促したり、徒長の予防、害虫の予防に役立ちます。
水苔・土が乾いた状態で水やりを行なっています。やり方はバケツに水を溜めてその中に板付のビカクシダを漬け、気泡が出なくなったら終わりです。(早く成長させたい方は、水の中に栄養剤を入れる)
日当たり
午前中の直射日光が理想のようである。私の地域は、日差しが強すぎる。日陰でも育つが、日光不足だと葉が黄色くなるので育成ライトを推奨する。自分はコロナ時代に使っていたメダカの水槽用ライトを流用している。
季節の温度管理(理想温度20℃~30℃)
暖かい時期:高温にならないように気を付け、葉水などして葉の温度を下げて風通しを良くして管理する。(葉水しすぎての蒸れに注意する。)
寒い時期:耐寒性はあるが、寒さには弱いので10℃以下にならないように気を付ける。
水やり
春夏:土や水苔を触り湿ってなければ、たっぷり。
秋冬:土や水苔の奥に湿り気が感じられなくなったら、たっぷり。
水苔は完全に乾燥するとシャワーをかけても水を吸わなくなるので、バケツに水を溜め、どぶ漬けする方法で行っています。
冬は湿り気が多いと根腐れが発生しやすいです。また寒い地域では乾燥気味にしておけば、土や水苔内の凍結防止にもなります。
耐性
耐暑性:強い。
耐寒性:あるが、10℃以上が望ましい。
耐陰性:あるが、日光がある方が元気に育つ。
湿度:多湿を好む。
実際に育ててみた記録
2025年5月上旬 室内平均気温は17℃~24℃
ビカクシダの園芸番組を見てこんなすごい観葉植物があるもんだと感心した。
それがまた価格が高いこと何千円~何万っていうのもあるから驚きだ!ある日、ホームセンターの植物コーナーに入り、ビカクシダの苗があるかなと覗いて見たら、ビカクシダ・ネザーランドが安価で売っていたので育てるのに失敗してもいいように、5つ買ってしまった。今は10月になるがどれも枯れることなく元気に育っている。ほんとに丈夫で育てやすいと思います。
胞子葉の最大の長さ7㎝。
土が乾いたらバケツの水に沈めるやり方。葉は青々としている。小さい葉でかわいらしい。
2025年6月上旬 室内平均気温は20℃~27℃
動画や雑誌などを見て板付の勉強。ホームセンターで板付の材料、杉の板(18*25廃材板)・12番線を購入、100均で透明ミシン糸、電動ドリル用5.0mmドリル刃、水苔、結束バンド20㎝を購入。ネザーランドの葉が少し伸びてきている。貯水葉はまだ確認できない。1号鉢土仕様から2号鉢水苔仕様で植え替えた。胞子葉の最大の長さ9㎝。(電動ドリルは所持している)
2025年7月上旬 室内平均気温は24℃~30℃
葉は成長して胞子葉の長さ11㎝になり先端が二股や三股になってきて、やっと貯水葉の丸い葉が出てきたちょっと可愛く思える。来月には、板付出来そうな大きさになっているといいなぁ。
2025年8月上旬 室内平均気温は25℃~31℃
胞子葉の長さが15㎝、貯水葉は半径4㎝となってきたので、気温も最低でも25℃になってきたので板付を行うことにした。
栄養剤(マガンプK小粒orマイガーデン ベジフル粒状)と害虫剤(オルトランDX)を追加で購入。
動画や園芸雑誌で勉強してきた通りに行う。(色々なやり方があると思います)
1. 板にネザーランドを縛る穴と吊り下げる用の穴をドリルで開ける。
2. 板の上にネザーランドを置く所に水苔を4㎝ほど丸く敷き、その上に栄養剤と害虫剤を適度(少な目)に撒く。
3. その上に苗のネザーランドを置き、成長点(もふもふとした毛のある所)を上にして、成長点を傷つけないように結束バンドで固定する。
4. 結束バンドが隠れるように水苔を周りに盛っていき形を何度か形を整えながら透明ミシン糸で縛っていく。
5. 12番線で吊り下げる用のフックを付け、完成です。
「感想としては、初めて作ったわりには上手にまとまったと思う、形が変であれば何回でもやり直せばいいだけですから。
失敗としては、完成後に気付いたが、丸くしようとばかり考えていたら水苔を沢山盛ってしまい葉に対して水苔が大きくなってしまったことである。
後必ず、水苔は完全乾燥しているので一日前から水に漬け戻しておくことを忘れないようにする。」
2025年9月上旬 室内平均気温は27℃~32℃
順調に育っており9月に入り急激に胞子葉が伸び23㎝、貯水葉も6㎝と一枚葉が増えてそれなりにかっこよくなってきた。
失敗したこと・工夫したこと
・7月~9月まで最高に暑かったのでエアコンをかけっぱなしなので、湿度が下がり水苔の乾きすぎの為、朝ビカクシダを見ると葉がしおれている時があったので、夜に葉水をして対応していた。
・夏場日差しが強く吊るす場所を選ばないと水苔が蒸されて根腐になるかもしれないので気を付けた。
・動画などで水くれの時に栄養液剤を1/1000に薄めてやるといいと言っていたので真似をしたら次の日、水苔に白カビが全面に出来ていた、たまたま蒸れて白カビが出来たのか分からないが、それからは粒状栄養剤にしている。
・テレビで稲の育成時期に張っている水の中に1/1000のエタノールを入れておくと栄養吸収が良く、病気にもなりにくいと言っていたので、ビカクシダの水くれ時に行っているが、効果の方はまだ分からない。
季節ごとの管理ポイント
・夏場の水やりと風通し、毎日観察し状態確認を行う。(メダカの飼育を思い出す。)
・秋から冬にかけての温度管理と休眠期の注意点としては、今住んでいる地域は冬でも10℃以下になることは無いので温度管理は心配ないですが、水やりが心配です、徹底することは、貯水葉や水ゴケの奥に湿り気が感じられなくなったら、たっぷりと行うこと、です。
・春の成長期にやるべきことは、2月中旬から葉水や液体肥料、貯水葉や水ゴケの奥に湿り気が感じられたら、翌日まで待ってたっぷりと行う。でやっていこうと思います。
まとめ
育ててみて感じた魅力は、どんな葉の形に育つのか成長も見守るのは、とても楽しいし、上手くいかないことがあるとなんでだろうと思い、色々調べたりすると、あぁそう言うことかと納得できたりして勉強になり、何となく忍耐力が向上するような気がしました。
これからも、育成状況を更新していきますので時間のある時、覗いていってください。